高まる航空貨物需要。近年の航空貨物取扱実績を確認する

日本航空が国際貨物専用機の運航を13年ぶりに再開

2024年2月19日に日本航空が国際貨物専用機の運行を14年ぶりに再開したと発表されました。
報道によると、コロナ禍で旅客輸送は大幅に落ちましたが、巣篭もり需要により貨物輸送の売上が増加したとのことです。今回、日本航空は貨物専用機を3機導入し、成田とソウル、台北、上海を結ぶ路線で運用する予定と発表されました。

今回は航空貨物運送業界が発表しているデータを参照し、航空貨物取扱実績の過去5年分をグラフにしてレポートします。

日本の輸出/輸入における航空貨物取扱実績の推移

航空貨物取扱実績のうち輸出・輸入のデータをそれぞれグラフにしてみました。
まずは輸出の航空貨物取扱実績です。それぞれ過去5年分の混載便、直送便、チャーター便の推移です。

    

次に輸入の航空貨物取扱実績です。
通関場所の地域でそれぞれ過去5年分の東日本、中部、関西、九州地域における輸入の航空貨物取扱実績の推移です。

    

上記の輸出と輸入のグラフは、どちらも同様の推移を示しています。具体的には、2020年のコロナ禍による減少、2021年の巣篭もり需要による回復、その後は下降という流れで、2023年には2020年と同水準にまで減少しました。

このグラフの結果を見る限り、「2024年に航空需要が増加するのか?」という疑問が生じますが、現在の二大運河の混乱が海上輸送を妨げていることを考慮すると、代替輸送手段として航空貨物需要が増加する可能性も否定できません。

さらに、国内の物流においては、トラック輸送の2024年問題もあり、国内の航空輸送需要が増加すると予想されます。

今後も航空貨物取扱実績については定期的にレポートします。