アジア欧州航路の月別コンテナ取扱量について

紅海回避の後の1年でコンテナ取扱量はどう変わったのか

2023年年末から、フーシ派による商船への攻撃が激化したことで、各社は紅海ルートを避け、喜望峰経由での輸送を余儀なくされています。
それから1年以上が経過しましたが、この間、欧州航路のコンテナ取扱量や運賃指数はどのように推移しているのでしょうか。

今回は、日本海事センターが公開している「主要コンテナ航路荷動き動向」のデータをもとに、直近4年間のアジア~欧州間のコンテナ取扱量について確認していきます。

欧州航路(アジア⇒欧州)のコンテナ取扱量と運賃指数について

今回は、欧州航路のうち「アジア ⇒ 欧州」方向における月別のコンテナ取扱量と運賃指数を確認しました。
以下に、それぞれのグラフを掲載しています。

    
    

グラフを見ると、喜望峰迂回ルートとなった2024年1月以降も、アジア → 欧州のコンテナ取扱量は前年と比較して増加していることがわかります。
運賃指数についても、喜望峰迂回に伴い一定分一定程度の上昇が見られますが、それ以外で極端に高騰することはなく、例年通り夏場の輸送需要の高まりに合わせて上昇し、その後は落ち着くといった動きが見て取れます。

結果として、喜望峰迂回により輸送日数・運賃ともに増加したものの、航空輸送などの代替手段への大規模なシフトは見られなかったことがわかります。

今後、運賃が大きく下がるとすれば、そのタイミングの鍵を握るのはやはり紅海ルートの復活でしょう。
紅海およびスエズ運河の通航が再び可能となれば、2023年の水準まで運賃が戻る可能性があると考えられます。

今後も、欧州航路におけるコンテナ取扱量および運賃指数の動向について、定期的にレポートさせていただきます。

※大谷シッピングでは、欧州、インド、中東、アフリカへの海上輸送も積極的に取り扱っています。医療機器、中古車、伝統工芸品など、多数の実績がありますので、ご入用の際はぜひお問い合わせください。