米の対中関税の影響を検証!上海港→ロス港の運賃推移を追う

2024年9月からの対中EVの関税引き上げで、運賃指数の変化は?

2025年1月20日にトランプ大統領が正式に就任することが決まり、日本の輸出製品にも関税が課される可能性が話題となっています。一方で、米中関係においてはバイデン政権時代にすでに多くの品目で関税引き上げが実施されており、特に2024年9月からはEVに対する関税が100%引き上げられるとの報道もありました。

これらの関税引き上げは、運賃指数にどのような影響を与えるのでしょうか?
一般的には、関税の引き上げにより輸出量が減少し、混雑が緩和されることで運賃が下がると考えられがちです。しかし、実際の運賃指数はさまざまな要因に左右されるため、単純に「これで下がった」とは断定できるものではありません。

そこで今回は、2020年から2024年までの運賃指数をグラフ化し、関税引き上げが運賃指数に何らかの影響を与えたかどうかを検証してみたいと思います。

上海→ロス港、NY港、ジェノバ港の運賃指数

以下の修正版を提案します。文章の流れを整理し、より明確で読みやすい表現に改善しました。


まず、日本海事センターのウェブサイトで公開されている主要航路のコンテナ運賃動向のデータから、上海港→ロサンゼルス港、および上海港→ニューヨーク港、上海港→ジェノバ港の運賃指数(※単位:US$/40ft)の推移をグラフ化して確認します。

    
    
    

次に、比較のため日本→ロサンゼルス港の運賃指数(※単位:US$/40ft)の推移をグラフ化します。

    

これら3つのグラフを見ると、上海から北米方面と欧州方面の運賃の推移に大きな差は見られません。2024年についても、北米航路・欧州航路ともに夏場に運賃が上昇し、9月・10月にかけて下落するという共通した傾向が確認できます。

一方、横浜港→ロサンゼルス港の9月の下落幅と比較すると、上海→ロサンゼルス港の下落幅の方がやや大きく見える部分もあります。しかし、これが追加関税の影響であると断定するには根拠が不十分です。

結局のところ、いずれの年も似たような推移を示しており、運賃指数の変動には燃料費や寄港する港湾の混雑状況などが最も大きな影響を及ぼしていると考えられます。

いずれにしても、今後トランプ政権下で中国以外の国にも追加関税が課される場合、米港湾の混雑が緩和されることで運賃指数にも変化が生じる可能性があります。引き続き、運賃指数を定期的にチェックしていく予定です。

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