貨物取扱量は世界最大!! 寧波・舟山港のコンテナ取扱量について

コンテナ取扱量は世界3位の寧波・舟山港

寧波・舟山港と言えば貨物取扱量が世界最大であることが有名で、2022年まで14年連続で世界1位となっていますが、近年はコンテナ取扱量についても注目が集まっています。
日本港湾協会が発表しているコンテナ貨物上位100港のデータを見ると、2008年の時点では寧波・舟山港の順位は7位でしたが、次第に順位を上げ、2018年からは3位をキープしている状況です。さらに2022年1月には、1か月分のデータではありますが、シンガポールを抜いて2位に躍り出るなど、注目を集めました。

また、昨年の上海港のロックダウン時には上海港の代替港としての役割も果たしており、その間のコンテナ取扱量の推移も気になるところです。
今回は寧波・舟山港のコンテナ取扱量についてレポートします。

上海港の南に位置する寧波・舟山港

下記は中国交通運輸部が発表しているデータから、寧波・舟山港の月別コンテナ取扱量の推移をグラフにしたものです。
参考に同期間の上海港の月別コンテナ取扱量のグラフも提示します。

    
    

これらの二つのグラフを見ると、基本的な推移は同じように見受けられます。
春節前の1月は上がり、2月は落ち込み、夏場はあがり、年末にかけて下がっているように見えます。

上海ロックダウンが実施された2022年の4月から5月の期間を見ると、寧波・舟山港の月別コンテナ取扱量は大きく伸びており、代替港として機能していたことがわかります。
ただし、ロックダウンピーク時の2022年5月の時点でも上海港のコンテナ取扱量を上回るというほどではなかったようです。

寧波・舟山港は上海港にほぼ隣接しているといえる場所に位置しており、今後もロックダウン等で片方の港が機能不全になった場合でももう片方が補えるような関係と言えます。
なお、仮にこの両港が使えない事態になっても、深セン港や香港港等で、中東、アフリカ、欧州への物流網は確保できるため、BRICS経済圏は安泰で加盟国も増えそうな予感がします。

コンテナ取扱量からみるとBRICSに押され気味のG7ですが、今後挽回はあるのでしょうか。今後も各経済圏の物流に注目です。