ナイジェリアのコンテナ港について

西アフリカの主要なコンテナ港について

西アフリカのコンテナ港として一般的に知られているのはアビジャン港(コートジボワール)やラゴス港(ナイジェリア)などですが、日本港湾協会が発表している世界のコンテナ取扱量ランキングを見ると、過去10年間で西アフリカの港として100位以内にランクインしているのは、2021年と2020年のロメ港(トーゴ)と2014年のラゴス港(ナイジェリア)の2つの港だけです。

そこで、今回は西アフリカの主要なコンテナ港であるラゴス港(ナイジェリア)についてレポートします。

ラゴス港(ナイジェリア)の現状と将来展望

ナイジェリア港湾局が発表しているデータによると、2010年から2021年までのラゴス港(アパパ港&ティンカン港)の年間コンテナ取扱量は以下のグラフになります。
※比較のために同時期の東京港のコンテナ取扱量も載せておきます。
(グラフ中の東京港をクリックするとグラフが表示されます。)

    

ラゴス港のデータを見ると、コンテナ取扱量は2015年と2016年に落ち込んでいます。これは2014年の原油価格の急落による外貨不足の影響で、ナイジェリア政府が外貨供給を制限したため、輸入量が減少したためだと考えられます。

また2022年10月にはラゴスのレッキ深海港が開港し、2023年の夏頃には本格的な運用が開始されるとされています。なお、レッキ深海港の運営はCMAターミナル(フランスのCMA-CGMグループの子会社)が行うとされております。

レッキ深海港はナイジェリア初の深海港で、水深16メートルの岸壁には13台の岸壁クレーンがあり、最大1万5,000TEUの船舶を運航できます。この港は西アフリカで最大のインフラとされており、将来的にはコンテナ取扱量の増加が期待されています。

さらに近年はアフリカの玄関と言われるタンジェ港(モロッコ)の拡張整備が進んでおり、コンテナ取扱量も顕著に増えています。そのため、西アフリカ全体の物流にも好影響を与える可能性があります。

いずれにしても現在のところは西アフリカの物流はまだまだ発展途上と言えます。
このエリアのインフラ整備が進み、より効率的な輸送とスムーズな貿易が実現されることを期待したいところです。

次月はもうひとつの西アフリカの主要なコンテナ港であるロメ港(トーゴ)についてレポートします。