上海ロックダウン解除後、上海港のコンテナ取扱量はどうなったのか

ロックダウン解除で上海港の取扱量はどうなったのか?

今や世界一のコンテナ取扱量を誇り、世界物流の中心と言える上海港ですが、2022年の3月28日からの上海ロックダウンの影響で、港の人員不足等の混乱が起こり、物流に大きな影響を与えたと言われています。
はたしてその前後の上海港におけるコンテナ取扱量はどうだったのでしょうか?

データからみるロックダウン解除後の物流の流れ

上海港のコンテナ取扱量は月毎に中国交通運輸部が発表しているので、ロックアウトの前後のコンテナ取扱量を見ることができます。
以下は、2021年と2022年における上海港の月毎コンテナ取引量です。

■上海港におけるコンテナ取扱量の月別比較(2022-2021)

2021年
コンテナ取扱量(TEU)
2022年
コンテナ取扱量(TEU)
2022年
前年同月比
1月404万TEU435万TEU108%
2月341万TEU381万TEU112%
3月390万TEU410万TEU105%
4月372万TEU308万TEU83%
5月340万TEU340万TEU100%
6月409万TEU379万TEU93%
7月370万TEU430万TEU116%

上記データを鑑みると以下のことが見えてきます。

  • 1月2月から2022年度は平時であれば前年同月比110%程度の成長はあったと思われる。
  • 3月についても28日からロックダウンが始まるまでは堅調であったと推測できる。
  • 4月は荷捌き遅滞状態のため、コンテナ取扱量は大きく落ち込んだことがわかる。
  • 5月は前年同月比100%と持ち直しているように見えるが、本来は110%前後の数値を期待すべきであり、港は引き続き混乱していたことがわかる。
  • 6月にはロックダウンが解除されたが、コンテナ取扱量は前年同月比93%と落ち込んでいる。おそらくロックダウン解除直後は「再びロックダウンするかも」という噂もあり、ロックダウン中に代替港や航空便を利用した荷主がしばらく様子見したためだと考えられる。
  • 7月になり港はようやく落ち着きを取り戻し、代替港や航空便を利用していた貨物も上海港に戻ってきて、前年同月比116%となったと考えられる。

7月にようやく落ち着いた上海港。2022年下半期はさらに取扱量は増える!?

コンテナ取扱量を見れば、上海ロックダウンで港は閉鎖されてはいなかったものの、多少なりとも影響があったことが伺えます。ただ前年同月比で見ると最も減少した4月で83%。平常時だと110%だったとすると30%減だったと言えます。
この30%の貨物が代替の手段で輸送されたとすれば、ロックダウン解除後どうなるのかが気になります。
そもそも代替港や航空便で問題なければ上海港を使う必要がなくなるためです。(航空便は運賃が高いので、すぐに上海港を使いそうですが・・)

まだ結論というわけではありませんが、7月のコンテナ取扱量を見ると、ある程度上海港に貨物が戻ってきていることがわかります。
はたして上海港のコンテナ取扱量はどうなるのか。ロックダウンを契機とした代替港は上海からシェアを奪えるのか。2022年下半期も上海のコンテナ取扱量に注目したいところです。