コンテナ港効率性評価(CPPI)上位20港の経済圏分類 2024

コンテナ港効率性評価(CPPI)とは

コンテナ港効率性評価(CPPI:Container Port Performance Index)は、寄港した船舶の滞在時間などをもとに、各港の運用効率を評価する指標で、国際開発金融機関である世界銀行(The World Bank)が毎年公表しています。

このランキングで上位に入る港は、円滑な荷役・船舶運航を実現しており、コンテナ取扱量の拡大や物流コストの削減につながる「効率的な港」として、運送事業者や荷主から高い信頼を得ています。

今回は、最新のCPPI 2024 の結果をもとに、上位20港を主要経済圏別に分類し、G7およびBRICS諸国の港湾が世界の物流効率にどの程度関与しているかを確認していきます。
※過去のランキングおよび経済圏のリストについては、以下の過去記事をご確認ください。

>>コンテナ港効率性評価(CPPI)上位20港の経済圏分類 2022
>>コンテナ港効率性評価(CPPI)上位20港の経済圏分類 2023

CPPI 2024の上位20港

以下は、The World Bankが発表したCPPI2024の上位20港です。各港について、2024年度のランキングと所属している経済圏も併せて表示しています。

■CPPI2024の上位20港

RANKコンテナ港2023経済圏
1洋山深水港(Yangshan)中国1BRICS
2福州港(Fuzhou)中国38BRICS
3ポートサイド(Port Said)エジプト16BRICS+
4大連港(Dalian)中国14BRICS
5タンジェ港(Tanger-Mediterranean)モロッコ4ASEAN
6馬湾港(Mawan)中国13BRICS
7カイメップ(Cai Mep)ベトナム7ASEAN
8広州港(Guangzhou)中国8BRICS
9赤湾港(Chiwan)中国6BRICS
10寧波港(Ningbo)中国12BRICS
11ハマド港(Hamad)カタール11-
12香港港(Hong Kong)中国15BRICS
13タンジュン・ペラパス港(Tanjung Pelepas)マレーシア5ASEAN
14天津港(Tianjin)中国21BRICS
15サラーラ港(Salalah)オマーン2MENA
16横浜港(Yokohama)日本9G7
17厦門港(Xiamen)中国31BRICS
18高雄港 (Kaohsiung)台湾18-
19塩田港(Yantian)中国22BRICS
20アルヘシラス(Algeciras)スペイン10-

2024年版のCPPI(コンテナ港効率性評価)では、福州港(中国)が前年の38位から一気に2位へと大幅に順位を上げました。港湾の効率性が大きく改善したことを示しており、今後のコンテナ取扱量の増加にも期待が高まります。
また、3位のポートサイド港(エジプト)も前年の16位から躍進。4位の大連港(中国)や6位の馬湾港(中国)も前年から大きくランクを上げました。

一方、G7の日本の横浜港は前年の9位から16位へと後退。ASEAN圏では、カイメップ港(ベトナム)とタンジュン・ペラパス港(マレーシア)が引き続き上位を維持し、東南アジア港湾の安定した運営が評価されています。

トップ10のうち7港が中国本土の港で占められており、中国の港湾運営効率の高さが改めて際立ちました。特に洋山港は4年連続で首位を維持しており、洋山港を擁する上海港が今後もコンテナ取扱量で世界一を走り続けるとみられます。

なお、BRICS圏とG7圏を比較すると、BRICS圏の港がトップ20の過半を占める構図が続いており、アジア・中東・アフリカの新興港の躍進が今後も続くことが予想されます。
いずれにしても、G7側の巻き返しが見られるのかどうか、来年もこの時期に引き続きレポートしていきたいと思います。

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