ASEAN物流の要、ベトナムの主要港のコンテナ取扱量をチェック
サプライチェーン脱中国の動きで存在感増すベトナム主要港
日本海事センターによると、2025年6月のASEAN発米国向けコンテナ輸送は前年同月比31.6%増の55万9,759TEUとなりました。その中でもベトナムは34.8%増の30万3,878TEUと大幅に伸びた一方、中国は24.9%減の76万2,826TEUに落ち込み、対照的な結果となっています。
また、2025年8月4日には三井E&Sがベトナム向けに大型コンテナクレーンと電動トランスファークレーンを受注したと発表しており、ベトナムの港湾に対する注目度が一段と増しています。
今回は、ベトナムの主要コンテナ港であるホーチミン港、ハイフォン港、カイメップ港の過去の取扱量データを振り返り、推移を確認していきます。
ホーチミン・ハイフォン・カイメップ、3港の成長を比較
日本港湾協会が発表している「世界のコンテナ取扱量上位100港」のデータを見ると、ベトナムにおける近年の主要コンテナ港は、ホーチミン港、ハイフォン港、カイメップ港の3港であることがわかります。
この3港について、2018年から2024年までのコンテナ取扱量データをグラフ化したものが以下となります。
比較参考用として、同期間の東京港のデータもあわせて掲載しています。
グラフを見ると、ホーチミン港は2021年まで着実に伸びたものの、2023年はやや減少しました。ハイフォン港は安定的に増加を続け、2023年も高水準を維持しています。
一方、カイメップ港は2020年以降急成長し、2023年にはハイフォン港に迫る水準に達しました。近年の拡張工事や深水港としての利点もあり、同港は2023年のコンテナ港効率性評価(CPPI)で世界7位にランクインしています。
今後、サプライチェーンが中国から東南アジアやインドに移行する中、ベトナムはASEANの物流拠点としてさらに存在感を高めていくと見込まれます。
参考記事)コンテナ港効率性評価(CPPI)上位20港の経済圏分類 2023
ベトナム主要港のコンテナ取扱量については、今後も定期的にレポートしていく予定です。
※大谷シッピングでは、ベトナム、インド、中東、アフリカや欧州への海上輸送も積極的に取り扱っています。多数の実績がありますので、ご入用の際はぜひお問い合わせください。