成田空港から中東への航空貨物輸出の推移をチェック

成田空港貿易概況から中東地域向け輸出状況をチェック

コロナ禍からの回復や半導体需要の高まりを背景に、近年、日本の航空貨物は全体として増加傾向にあります。では、その中で中東向けの輸出はどうなっているのでしょうか。

本記事では、東京税関が公表する「成田空港貿易概況」のデータをもとに、中東地域向け輸出の過去5年間の推移をグラフで可視化し、その傾向を読み解いていきます。

成田空港→中東への輸出額(2020年〜2024年)

以下は、過去5年間における成田空港から中東主要3カ国(サウジアラビア、UAE、イスラエル)および中東全体への航空貨物輸出額の推移を示したグラフです。
データは東京税関が公開している年別の成田空港貿易概況(確報)を参照しています。
※比較参考用に成田→アメリカへの輸出データも掲示しています。グラフ上の「米国」をクリックすると表示されます。

    


グラフを見ると、2020年から2024年までの5年間で、中東全体への輸出額は約932億円から約1,694億円へと、約1.8倍に増加しています。国別に見ると、UAEへの輸出額は2020年の約351億円から2024年に約1,101億円へと、約3倍に増加しました。サウジアラビアも堅調に伸びており、5年間で約2.4倍となっています。一方、イスラエルは2021年をピークに減少傾向にあり、2023年10月からのイスラエル・ガザ戦争の影響も考えられます。

参考としてアメリカ向けの輸出額も示していますが、2024年のアメリカ向け輸出額は約2.5兆円と、中東3カ国合計の約15倍にのぼります。現時点では、中東はまだ主要な輸出地域とは言い難い状況ですが、中東全体の市場の伸び率は高く、今後の注目市場として期待されています。

中東への輸出状況については、2025年分のデータが更新され次第、改めてレポートいたします。

※大谷シッピングでは 航空貨物も積極的に取り扱っております。 中東エリア、中央アジア等、多数の実績がございます。
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