航空貨物の国別の輸出状況2024-成田空港編-

WING NRTで注目集まる成田空港、国別の輸出状況をチェック

2025年7月には、日本航空とヒューリックによる新たな国際物流拠点「WING NRT(ウイングナリタ)」の建設計画が発表されるなど、成田空港の機能強化に向けた動きが進んでいます。
日本最大の国際航空貨物拠点である同空港ですが、その輸出先はどのような割合になっているのでしょうか。本稿では東京税関の公表データを基に、過去11年間における成田空港から各国・地域への輸出動向をグラフで示し、コロナ禍などによってどのような変動があったのかを確認します。

成田空港貿易概況(2014年〜2024年)

以下は、過去11年間における成田空港から主要国・地域別の輸出額の推移です。データは、東京税関が発表している年別の成田空港貿易概況(速報)を参照しています。

    

国・地域別に見ると、最大の輸出先である中国向けは2020年のコロナ禍でも減少することなく拡大を続け、2024年にはついに6兆円を突破しました。輸出全体に占める中国の存在感はさらに強まっていることがわかります。

一方、米国向けは2021年に急増したものの、その後はやや伸び悩んでおり、2024年も2兆4,551億円と横ばい傾向です。ASEAN向けは2022年に過去最高を記録した後に調整が入ったものの、2024年には再び増加に転じています。EU向けも増減を繰り返しながら全体としては持ち直しの動きが見られます。

いずれにしても、成田空港の輸出において中国が突出した地位を占める状況は続いており、今後の日中関係や国際物流環境の変化が引き続き注視されます。
また、2025年は米国との間で相互関税が導入されており、米国への輸出動向がどのようになるのかについても気になるところです。さらに、中長期的には2029年に国際物流拠点「WING NRT」が完成予定と発表されており、成田空港の貨物機能拡張にも期待が寄せられます。2025年分のデータが更新され次第、改めてレポートいたします。

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